オキーフ

2004年3月16日 色と形
 温かくなり、街にはコブシが咲いている。東京に大自然は存在しないが、住宅地などには花や実をつける庭木も多く、道行く人の目を楽しませてくれる。今週はコブシが目につく。ここにも、あそこにもと、遠目には逆さにした箒に丸めたティッシュがくっついてるとようにしか見えない。研究所の敷地には、同じマグノリアの仲間のタイサンボクが植わっている。こちらは5月頃に柔らかそうな白い花びらとパイナップルのような芯を持つ立派な花をつける。その肉感のある花は、さすがアメリカ育ちと納得させられる。花の肉感といえば、ジョージア・オキーフである。キャンバスいっぱいに描かれた花、ビビッドな色使いの花心。見ているものをどきどきさせてやまない。私は、彼女の描くJimson weedが好きだ。バックは青い空、葉の緑とツルを思わせる白い花。オキーフにしては健康的な絵で、自己主張の強烈な絵が並ぶ彼女の展覧会で、ほっとさせてくれる一枚になる。そして、そこには着衣の貴婦人の美しさが十分に溢れている。Jimson weedは、チョウセンアサガオなる名で国内でも見られるが、品種改良が進み、その大きな花が頭を垂れる様は異様であり、貴婦人を感じさせてはくれない。

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