匂いといって忘れてはいけない人がいる。今は亡きアメリカの女優ディバインである。ドラッグクイーンであり、世の常識、固定観念を超越しているこの人にできないことは無いというか、ほんとになんでも可である。その悪趣味ぶりはピンクフラミンゴでいかんなく発揮されている。ジョン・ウォーターズ監督が、さらにすごいことはないかと頭をひねって絞り出した悪趣味を、画面の上で平然とやってのける。そして、悪趣味につきものの匂いも伝えたいと考えだされたのがポリエステル。匂いつきカードを嗅ぎながら、悪趣味の世界を堪能させてくれる映画だ。彼女が死んで10年以上が経った今、彼女を越えるすばらしき才能がそろそろ出てきてもいいのではないか。プリンスを初めて見たとき、もしかしてと思ったが、その後お金持ちになって普通の人になってしまった。
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