映画のあとで
2004年4月15日 映画観たあとの会話は楽しい。あそこのシーンはすごかったねとか、あの俳優さんが好きだとか、たわいもない会話を楽しむのもいいし、人によっていろんな見方があることに感心し、普段は気づかない性格の一面が見えるのもいい。でも、最高なのは、映画により触発された衝動を分かち合うことである。
まだ学生だった私は、バイト先の先輩とクローネンバーグ好きが縁で意気投合した。一緒に映画を観にいったり、読み終わった本を交換したりする仲だった。その年、クローネンバーグ監督の裸のランチが劇場公開されることを知り、お互い楽しみにしていた。映画を見たのは、確か秋の有楽町だったと思う。内容は期待通りで、脳天を突き抜けるような強烈な衝撃を感じた。劇場を後にし、駅までの道を並んで歩く。抑えきれない衝動が体中に渦巻いているのを感じ、相手も同じような感覚に陥っていることを感じた。頭へ受けた衝撃が下半身へ降りてきたのか。お互い無言のまま、湯島の場末のホテルに入り、シャワーも浴びず、激しくことにおよんだ。今でも思い出すだけでどきどきしてしまい、頭が白くなり、言葉にすることができない経験である。ことの後、シャワーを浴び、全裸のまま布団に仰向けになり、タバコをくわえていると、あそこにやさしくキスをくれた。二回目は、さきほどまでの激しさは抑えられ、ゆっくりと時間を愛おしむように求め合った。その日は、わかれるまで、お互いに一言も発しなかった。言葉の要らない空間はなんと心地よく、そこには言葉で表現することのできないすばらしいものがあった。
まだ学生だった私は、バイト先の先輩とクローネンバーグ好きが縁で意気投合した。一緒に映画を観にいったり、読み終わった本を交換したりする仲だった。その年、クローネンバーグ監督の裸のランチが劇場公開されることを知り、お互い楽しみにしていた。映画を見たのは、確か秋の有楽町だったと思う。内容は期待通りで、脳天を突き抜けるような強烈な衝撃を感じた。劇場を後にし、駅までの道を並んで歩く。抑えきれない衝動が体中に渦巻いているのを感じ、相手も同じような感覚に陥っていることを感じた。頭へ受けた衝撃が下半身へ降りてきたのか。お互い無言のまま、湯島の場末のホテルに入り、シャワーも浴びず、激しくことにおよんだ。今でも思い出すだけでどきどきしてしまい、頭が白くなり、言葉にすることができない経験である。ことの後、シャワーを浴び、全裸のまま布団に仰向けになり、タバコをくわえていると、あそこにやさしくキスをくれた。二回目は、さきほどまでの激しさは抑えられ、ゆっくりと時間を愛おしむように求め合った。その日は、わかれるまで、お互いに一言も発しなかった。言葉の要らない空間はなんと心地よく、そこには言葉で表現することのできないすばらしいものがあった。
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