空気の振動

2004年9月7日 聴こえる
 目の前にいない人の歌声がきこえる。テクノロジーが発達した現在では、なんら不思議なことではないが、やはりすごいことである。飛行機で、備え付けのイヤホンで音楽を聴きながら、この歌声はどこからどうやって来たのだろうかと。
 音は空気の振動である。これは飛行機のイヤホンを手にすれば実感できる。マカロニのように中空のチューブを耳にあてると、歌声がきこえてくる。椅子のアーム部分に内蔵されたスピーカーから出てくる空気の振動が、チューブの中を伝わってくるのだ。遠くで歌っているように聞こえるのは、チューブの中を走るうちに振動が劣化するからだ。
アームの内蔵スピーカへは電気信号でやってくるのだろう。飛行機内にセットされた再生装置から電線を伝い、アナログ信号としてやってくる。
 再生装置で再生されたメディアには、どこかで複製された音の情報が入っている。じゃ音の情報の源は?マスターテープは?それはどこかのスタジオでマイクを通して、生の歌声が情報として記録されたのだ。空気の振動が、数の羅列の情報として。

風といえば

2004年3月25日 聴こえる
「風の歌を聴け」
という小説がある
村上春樹の処女作である
暇を持てあましてしょうが無かった中学生時代
図書館でたまたま手に取った
中学生には、その隔世感がなじめず
素直に、SF小説に回帰した気がする

高校生のとき、続編に当たる「羊をめぐる・・」を読んだ
凡庸に追われる生活を送っていた私には、
悲しい小説であることはわかったが
それを実感することはなかった

大学生になり、お酒を飲むようになり、恋愛もし、
色々な体験を経て、作者が書きあげた年頃に近づくにつれ
その悲しさを、頭ではなく心で理解できるようになった

大人となった今では
とても好きな作家の一人である
そして「風の歌を聴け」を最初に読んだときの
中学生である自分を懐かしく思い出してしまう

季節はずれ

2004年3月14日 聴こえる
 蝉の鳴き声が好きだ。春が来ただけで、もう夏が恋しく、待ち遠しい。あの炎天下のもとミンミン、シャーシャーと大合唱するエネルギーの浪費。早くに夏が来ないかな。地下鉄に乗ってポスターの青い空を見ていると、ふとそんなことを感じてしまった。

最新の日記 一覧

<<  2025年7月  >>
293012345
6789101112
13141516171819
20212223242526
272829303112

お気に入り日記の更新

日記内を検索