おっぱいパブというものがある。普段風俗になど行かない私が、お付き合いで一度、このおっぱいパブという店に行ったことがある。5千円ほどのお金を払い、席に着くと、注文した飲み物と一緒に下着だけをつけたお姉ちゃんがやってくる。飲み物を飲みながら、お話しを楽しむだけでもよいが、おっぱいパブでは、膝に女の子を座らせ、あらわにした乳を揉んだり、吸ったりすることが許される。これ以上の過激なサービスを楽しむためには、また、別の形態の風俗店が用意されているらしい。簡単にいうと、おっぱいパブでは、おっぱいを見つめながら女の子と話す店である。ちなみに、人の目を見て話すことを教えてくれるのは小学校である。さて、そのとき膝に座らせた女の子の名前は忘れたが、趣味の話からアラン・シリトーが好きなことがわかった。本当は英文学の勉強をしたいが、兄弟が多く貧しいため、彼女は昼間は塾の先生をし、夜はおっぱいパブで働いていたらしい。私は共通の話題が見つかったことに喜び、こんな場末の風俗店でアラン・シリトーを語れる子に出会うなんてと勝手に盛り上がった末、こんな店出てどこかで文学を語ろうなどと青臭いナンパをしていた。もちろん彼女はやんわりと断り、同伴出勤のお願いとともに携帯のメアドを教えてくれた。そのときの私がシリトーの作品に出てくる嫌なプチブルでしかないことに気づいたのは、ずっと後のことだった。

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