彼女と別れてしばらくは、ひどく荒れた生活をしていた。昼間から酒を飲んだり、女の子を引っかけてはアパートに連れ込んでみたり。友達の彼女にもたくさん手を出した。その中の一人、マキちゃんとの思い出の話である。マキちゃんは神奈川出身の女の子だった。マキちゃんとその彼氏と私は、バイト先が同じであり、同学年のため、とても仲良かった。僕と彼氏は大学院に進学し、彼女は保険会社に就職していた。理由は忘れたが、マキちゃんと彼氏の仲がうまくいってなかった時期と私が彼女と別れた時期がちょうど一緒だったのだ。一人でのんびりと充電しようと思っていた時期が重なったのだ。ただ、彼女はずっと年上の離婚歴のおじさんと付き合い始めていたのか、そのことでも悩んでいたようだ。ぽっかりと空いたお互いの心の隙間に、お互いの手がすっぽりと入ったのだ。ただ、彼女との別れ方から想像するに、当時の私はまだまだ未熟な人間であった。
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