ある子供

2006年6月7日 映画
人にとって信じられないことが起きることがある。小説のような現実と言えばいいだろうか。もちろん私にもそのような体験はあり、あまりの状況のひどさは、頭を白くし、思考する力さえ奪ってしまう。
 カンヌでパルム・ドールを取ったこの作品「ある子供」を見たときの脱力感は、そのときの感覚に似ている。主人公のあまりにも無責任で幼稚な行動、主人公の涙に絆される彼女の優しさと弱さ、それら全てにインチキさを感じてしまう自分。しかし、この感覚は不思議なもので、映画を見た数日後、私の中で何か違うものとなって残っていた。それは形も、匂いも、色もないが、たしかに小さな固まりのようなものとして私のなかに残っていて、ふとしたことがきっかけでその存在を思い出す。全ての苦い記憶とともに。

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