ある愛の風景

2008年3月15日
ある愛の風景
 北欧の映画監督と言えば、先日死んだスウェーデンのイングマール・ベルイマンが有名であるが、このデンマークのスザンネ・ビアもすばらしい。世代も、国も違うが、この二人を並べたのには意味がある。それは、どちらの作品にもキリスト教的価値観を感じるのだ。ベルイマンは牧師の家系で育っており、その作品の中にキリスト教要素が散りばめられているのは有名である。一方のスザンネ・ビアについては、彼女の個人的なキリスト教体験を知らないため、もしかしたら僕の思いこみかもしれない。
 さて、この作品「ある愛の風景」、「家族への愛」と、それとせめぎ合う「隣人への愛」が平衡し、または錯綜し、描かれている。製作時期と日本での公開時期が逆になっているが、前作「アフター・ウェディング」でも似たようなテーマを扱っていた。この「隣人への愛」はいわゆる「見返りのない愛」であり、極東の島国で生まれ育った私にとってまぶし過ぎる。この二つの愛が個人の中でせめぎ合うことに多くの日本人は戸惑うであろう。
 彼女の次作は、なんとベニチオ・デル・トロを起用した、やはり愛の物語。この春の公開が待ち遠しい。ただ、今回はアメリカ資本の映画であることがちょっと気になる。

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