MIHO美術館で開かれているこの展覧会、日本が誇る文学者川端康成と装丁画を通して交流のあった画家安田靫彦のコレクションを併せて展示したものである。彼らの作品と収集品を並べることにより彼らの美的感性を理解し、さらには日本の美まで論じようという、壮大な企画である。他の美術館の学芸員も企画に参加することによって、しっかりとした内容に仕上がっており見応えはあった。川端のノーベル賞受賞式の講演「美しい日本の私ーその序説」まで紹介されており、痒い所に手が届く展示と言えよう。
 さて、私はつねづね、「日本の美とは何か」という答えのないテーマに関心があり、アンテナを張っていた。答えがないと断ったのは、日本の美といっても、それは多様なものであり、一言に集約するなんて無理だからである。さらに、芸術品に内在している美に対し、一般に「日本の美」と呼ばれる文化のなかでの美的感性は実在しない概念であるがため、文字で表そうとしたとたん雲を掴むような取り留めのないものになってしまうからである。
つづく・・・

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