キリスト教徒ではないのだが、ミサ曲やレクイエムといった教会音楽が好きである。ipodのなかに何曲か入れており、疲れきった帰路、一日をリセットするためのBGMにしている。さて、宗教音楽といえばレクイエム、先日書いた三大レクイエムはもちろん好きだが、ブラームスのドイツ・レクイエムも好きである。
 死者のためのミサ曲であるレクイエムの聴きどころは、死者の安息を願う静謐なパートと死者の復活と神の祝福を表現する華々しいパートの対照にあり、前者は合唱、後者は管楽器やオルガンがよく使われる。静から動へ、動から静へ、音楽のジェットコースターに乗りながら、その日におこった様々なことを頭のなかで整理する。このドイツ・レクイエムも例外ではなく、第六楽章の華麗から第七楽章への静寂への展開に心が洗われる。
 さて、いつもは夜の満員電車で聴いているドイツ・レクイエムを、生のオーケストラで聴く機会に恵まれた。サントリーホールの美しい天井を見上げながら、普段迷うことの多い私は、この世の真実に思いを巡らせる。あまりにもの音楽の神々しさに、神のような絶対的存在があってもいいのかもと。演奏が終わり、指揮者が深々とお辞儀をしたとき、思わず手を合わしそうになった。すばらしい演奏に、感謝感謝!明日から、またがんばろうと思えた瞬間であった。

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