イミテーション

2009年7月17日 日常
普段、あまりお酒を飲まない私であるが、ビール市場の競争の激しさには驚く。テレビをつけるとビール、発泡酒、新ジャンルと、これらのコマーシャルのなんと多いことか。そして、誰もが驚いたキリンとサントリーの統合も、競争の激化と関係がないわけではない。
さて、ビールにかかる高い税金を嫌い、発泡酒が発売され、さらに発泡酒の課税強化に対抗するかたちで新ジャンルが発売されと、ビール会社とお上とのイタチごっこは外野から見ると楽しい。酒税法上ビールでないけどビールのような飲み物を開発するビール会社と、ビールのようなものとして飲まれているかぎりそれなりの税金は払ってもらうというお上の主張、相容れるはずがない。
ここで要なのはビールではないけどビールのようなものを作る技であり、世界に誇るカニかまを作り出した日本人が得意とする分野である。このようなものは一般にイミテーション食品と呼ばれており、肉食を禁じられた仏門の精進料理で出てくる野菜を使った肉らしい料理も、これにカテゴライズされる。
じつは日本人、このようなイミテーションは食品に限らず、「のようなもの」を好んできた歴史があり、文化における見立てや庭園における枯山水などが挙げられる。そして、自然は理想的で好ましいという基準を採用している点では、昨日の「天然物への愛着」と根は同じなのだ。

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