名古屋に出張があり少し遠いなとは思ったけど、この機会を逃すと次はいつになるやらと悩み、思い切って金沢まで足を伸ばしてきた
目的は金沢21世紀美術館、開館以来行きたい行きたいと思っていて、なぜか機会に恵まれなかった
このコンテンポラリー美術館の成功は漏れ聞いており、その後、直島美術館、十和田市現代美術館といった似たコンセプトの美術館が林立しており、その流れでは霧島アートの森とともに兄貴分であるこの美術館を見ておかなくてはと
この美術館、従来の美術館にみられた教科書的な絵画を並べた美術愛好家のための箱ではなく、お金をかけずにもっと市民が楽しめる美術館というコンセプトのもと、計画されている
お金をかけないため収蔵作品は価格が安いコンテンポラリーものに限られており、小難しいと思われがちなコンテンポラリーものをいかに楽しんでもらえるように展示するのかが味噌となり、わかりやすくという目的で五感を素直に刺激する作品が並んでいる。
スイミングプールという作品では、あたかも水中にいる感覚が体験できたり
天井が四角くくりぬいているだけのシンプルな空間を用意したタレルの部屋では、いつも背景と思って見過ごしている空を客体として認知する、これなど青い空をキャンパスに描いたサム.フランシスの作品では空の青とどう向き合えばいいのか戸惑ってしまうところを、空を認知するという非日常の体験に観客を自然に導くことに成功している
美術に縁のなかった人も楽しめるテーマパーク的な美術館という意味では、当初の目的は見事に達成されている
さらに、多くの観光客をアジア中から集めており、地域活性という点からも成功していると言えよう
ただ、金沢という場所の特異性とはなんら関連が見られず、地域性を取り込みながら後発の似たような美術館と差別化があればと
もちろん、観光客にだけでなく、小学校の教育などを通して、市民に親しまれているらしく、そう言う意味では場所と密接に関係しているのかもしれない
SANAAによる建物は水平方向に配置されているため、その面白さを体感するためには鳥瞰する必要がある。美術館自体を谷間に配置し上からも眺められるようになっていたらもっといいのになとも

テーマパークとは言ってもキャラクターやアトラクションに頼っておらず、従来の美術館的要素も十分に残しているため、私のようなひねた大人でも楽しめたが、新しい試みだけにここをこうすればと色々気になった

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