病気自慢

何気ない会話で話題になる病気といえば、花粉症であるが
男性の病気自慢の一番は、やはり通風か尿管結石でしょう
その結石になったので、少し自慢を
なぜか朝早くに目覚めるも、起きる気はなく、ベッドでゴロゴロと過ごしてると
急に右のお腹の下に刺すような痛みが
そう言えば昨日もこんな痛みがあったけど、トイレ行ったらすっきりしたっけと
トイレに立とうとするが、あまりにも痛みにトイレの前の床でもだえ苦しむ
なんとか家族のところへ行き、最初に出た言葉に迷いは無く救急車！と叫ぶ、それを言うのがやっとで、救急車の来ることのなんと長く感じたことか
救急車に乗り込むも、病院に搬送されるも、お腹を抑えてもだえ苦しむばかり
救急隊員も、お医者さんも、「だんなさん、これは結石だよ、きっと」と自信ありげに教えてくれる
お腹を押さえながら撮ったCT像を、お腹を押さえながら覗き込むと、お医者さんは、ねぇ、ここに白いのがあるでしょ、でもだいぶ下がってきてるよ、膀胱に落ちたら痛みがなくなるから、点滴して待ってて、それから今晩は泊まっていったらと、色気なく誘ってくる
でも、痛い痛いしか口からでなくて、筋注された鎮痛剤も、座薬も効かず、8時間七転八倒して、出ました石が
なんだこんな小さいのかと、黒く小さな結晶がとても恨めしく見えた
大量の点滴のお陰でおしっこが止まらず、さらに五分粥の病院食も味気なく、所在なげに、ひたすらベッドで退院の時を待ち、翌朝十時に無事開放
大部屋の向かいは、同じ日の朝、三時に通風で運ばれきたおじさん、ではお先にと、まるで先に刑期を終えた囚人の気分で別れの挨拶をする