山で思う

2017年9月4日 日常
台風が来ていたが、予報の進路が本州から遠く離れていたので、週末に北アルプスにふらりと登ってきた。関越道ではパラパラと雨が降っていたが、安曇野に着いた頃には止む。登山口の駐車場で車中泊をし、翌朝白い霧に覆われた山を目指して登り始める。一年ぶりの森林限界超えに苦戦しながらも、何とか頂上に立つ。体が重く、少し歩くだけで息が切れる、軽い高山病にかかったらしい。霧もなかなか晴れないので、頂上あたりを軽く散策し、山小屋で横になる。夕方近くから晴れ始め、夜は満天の空が広がっていた。星空が見られたのは、眠剤が切れ始める4時ごろに目が覚めてしまう不眠症のおかげであり、普段は悩みのタネであるこの病気をありがたく思う。朝飯の後、爽やかな秋の空を眺めながら、風の音しかしない高山の世界に浸る。雲海の上に山々が連なる素晴らしさに、土日しか休みが取れず山に一泊しかできない自分が恨めしく思い、仕事なんか辞めしまおうかと少し本気で思ったが、高山病のだるさもあって、頂上滞在わずか20時間でとっとと降り始める。二千メートルまで降りてくると、だるさも取れて、雲海で見えなくなった山の方を見上げながら、月曜日からとりあえず仕事に通って普通の暮らしをしようと思う。帰りの高速では、高山病にかからない普通の環境のありがたさを実感しながら、ここのところさぼりがちだった仕事をもう少し頑張ってみようかとまで思っていた。私はまだまだ仙人にはなれないらしい。

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