ザ・スクエア 思いやりの聖域
人間って良いなと思えるボジティブな作品を素直に楽しむのも好きだが、天邪鬼の私は人間のドロドロした負の面を題材にした皮肉に満ちた作品を斜に構えて鑑賞するのも好きだ

単なる便器やサルの落書きをアートだと宣言するのは自由だし面白いことだと思うが、それらの作品の経済的価値にお墨付きをつけるアート界は怪しいと思う。そんな自由で怪しい現代アート界を舞台に、人間の不寛容と無関心について、ああでもないこうでもないと考えさせてくれる映画

描かれているのは人間の悪い面が中心であり、見ていて嫌になるシーンもたくさんある
それでも、カンヌはこの作品にパルムドールを授けた
カンヌの審査員たちは、過激で刺激的なこの作品を受け入れないと不寛容だと批判されることを恐れたのか?評価してパルムドールを授けたら授けたで、寛容の仮面を被ってるだけと批判されかねない。
映画の中でも、そんなどちらに転んでも難しい状況が描かれている

現代アートを鑑賞するのにお金と時間をかけても大丈夫な人向きの映画である。でも、監督さんはきっと大丈夫じゃない人、アートに無関心な人に、見て欲しいんだよね。現代アートも映画も観に来ない無関心な人に訴えられないという欠点を持っている。まあ、選挙という政治システムも同じだけどね

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