短編画廊

2020年12月28日 日常
短編画廊
オフィスのデスク脇の本棚に私物のカレンダーを掛けている
一応職場で他の人の目にも触れるので、無難で王道ものが多く、ポール・セザンヌの静物画やクロード・モネの風景画といったところを選ぶ
ちょっと刺激が欲しい年は、ジョージア・オキーフやメープル・ソープの花シリーズとか、世紀末のグスタフ・クリムト、さらにはビビッドなゴッホだったり
2016年は、アメリカ人画家エドワード・ホッパーを選んだ
王道さも、ビビッドさもないが、アメリカらしい太陽に満ちた開けた空間が描かれていて、オフィスの窓から見える東京のせせこましさを補ってくれていた

そんなホッパーの絵をもとにインスパイアーされた短編集のアンソロジー作品「短編画廊」を読む。ホッパーの絵と別々の現代アメリカ人作家の短編小説がセットになって並んでいる
5年前のオフィスに飾っていたカレンダーと重なっている絵は1つだけ、それも担当するはずだった作家が小説を書けなかったという理由で、小説抜きで口絵に使われている“Cape Cod Morning”

オフィスのカレンダーのホッパーは無難な風景画が多く、青空のもと広大な自然が広がっているが、必ず人や建物といった人間の営みが描きこまれているのがホッパーらしい
一方で、この短編画廊で選ばれているホッパーは、街頭に照らされた夜の街、屋内、建物の外から窓を通して描かれた室内など、自然の比率がグッと下がり、孤独感漂う人の営み中心に描かれている作品が多い、やはりホッパーらしい

というわけで、孤独感あふれる人々の物語が楽しめます

ちなみに、来年は出入りの業者にもらった白地のカレンダー

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